busidougairyaku
8.「武士道 一名『秘密袋』」
since 2013 .12.18
下の文字サイズの大をクリックして大きい文字にしてお読みください
第八作 「武士道 一名『秘密袋』」 (扶桑堂刊より)(転載禁止)
軽嶺侯爵夫人である薔薇(しょうび)夫人が老婢お律に5歳まで育てさせ、その後、小桜伯爵に預けられて育った少女弥生。
小桜伯爵の子息露人(つゆんど)は小さい時は妹のように弥生を可愛がり、長じては自分の妻にと思うようになる。
フランス王政が倒され共和制となるが、王政復古を目指して勤王軍が旗揚げされ、小桜露人も弥生も共和政府打倒の反乱軍である勤王軍に従軍する。
そんな中にあって、薔薇夫人が少女弥生に守袋を残して死去する。
守袋には少女弥生の母親の名前と薔薇夫人が残した軽嶺家の全財産の在処が記してあるのではないかと思われる。
薔薇夫人には後継者が居ないと見られ、薔薇夫人の甥や姪が、薔薇夫人の遺産の相続を主張するが、遺産として残したと見られる金貨の在処が分からない。
勤王党の間者として、薔薇(しょうび)夫人の住む町を訪れた弥生は死んだ薔薇夫人が肌身放さず持っていた守り袋を受け取るが、気味悪がって、守り袋を捨ててしまう。
その守袋を拾ったのが共和政府軍の縄村陸軍砲兵中尉。
その後、弥生は共和軍の捕虜となり、縄村中尉は勤王軍の捕虜となる。縄村中尉は弥生と捕虜交換と言う事で釈放されて、共和軍に戻るが、共和軍では捕虜交換を認めず、弥生を釈放しない。
弥生を釈放しないのならば、自分は勤王軍へ帰らなければならないと主張するが、認められず、寧ろ共和軍へ寝返った疑いで、拘束されてしまう。
縄村中尉は、このままでは勤王軍へ顔向けが出来ないと、弥生と共に脱走を図る。脱走の過程で、弥生は縄村中尉の男らしさに恋心を抱いてしまう。
ボアゴベイ著 黒岩涙香 訳 トシ 口語訳
目次に入るには青文字をクリックしてください。
8.1「武士道」(一)~(九十八)はここから目次へ
ボアゴベイの「マリー・ローズの隠れ家」の翻案小説
1897年(明治30年)2月27日~1897年(明治30年)8月31日まで新聞「萬朝報」に連載
a:990 t:2 y:1