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第二十作 雪姫(転載禁止)

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原作 『雪女王』  バアサ・エム・クレイ女史 作

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「雪姫」は新聞「萬朝報」に明治35年(1899年)5月14日から8月7日まで連載されたもので、原作者 バアサ・エム・クレイ女史の「雪女王」の訳です。尚、新聞「萬朝報」の情報は黒岩涙香 作品(http://iwawi.a.la9.jp/dozou/kansou2/kuroruik.htm

を参考にしました。

『雪姫』は2023年9月 1日より連載開始し、11月09日を以て完結。



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雪姫


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雪姫あらすじ

 「雪姫」とは、曾(かつ)てオーストリアに派遣せられた外交官、河畑良年(かわばた りょうねん)の一女清子(きよこ)の綽名(あだな)である。本名の清子の名では知らない人も多いが、「雪姫」と言えば英国第一の美人として、噂に聞いた事の無い人は居ない。

 そもそも、清子がなぜ雪姫と綽名されたかと言うと、清子が17歳の乙女の時、父河畑良年は外交官としてオーストリアに二年間派遣されることになった。良年は妻、即ち清子の母を病気で亡くしていた。

 母無き後、17歳になって居た清子は、父に代わって河畑家の家事全般を差配していると自負していた。父良年はオーストラリアに赴任するに当たり、清子の後見人として草野友子という貴婦人を指名し、河畑家に入って、清子の相談に乗ってくれる様にと頼んで居た。

 良年は二年後オーストリアから帰ったら、友子と結婚すると清子に告げていた。清子にとって友子は継母になることになる。清子は継母などいらないと反発し、友子に悉く逆らった。

 父がオーストリアに赴任して行った後、継母友子と清子は夏の暑さを避けるため、イギリスの海岸にあるセント・アイナという避暑地に向かった。

 このセント・アイナの避暑地には、銀行の金を使い込んで逃げている、詐欺師下林三郎が清子に一目惚れをして、何とかして自分の妻にしようとして、清子に近づく。継母友子は下林三郎のうさん臭さに警戒し、清子にも三郎に近づかない様に諭す。

 清子は継母の言う事は、何でも反対しているが、そこを下林三郎に付け込まれ、清子が下林と結婚したなら、清子の父良年は友子が付いて居ながら、清子と下林とが結婚式を挙げたことについて、友子が清子の後見人としては失格だと見做して、友子が思ったほど有能な人では無いと見限り、友子との結婚も取りやめになるのは確実だと、清子に言葉巧みに吹き込み、清子に下林との結婚を承諾させて、有る日の早朝に、ひそかに秘密の結婚式を執り行ってしまう。

 下林三郎は清子と結婚式を挙げ、夫婦に成ったら、アメリカかどこかに清子を連れて逃亡する気で居たが、秘密の結婚式を挙げた朝に、三郎を追って居た警官に捕まってしまう。

 秘密の結婚式を挙げたばかりの下林三郎が銀行の金を持ち逃げした犯罪者だと知って、清子は驚き、秘密に結婚をしたことは誰にも知られてはならないと思い、家に閉じこもり、誰とも会わない生活を送ることにする。

 


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